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-獅子は荒野を越えて
「命令に忠実であろうとするひとりの兵
さまざまな輝きが 彼を導かんとする」
気高き獅子の誇りを持つ戦士――スコール。
孤独な道を歩んでいた彼の目に映ったものは
偽りの異形イミテーションに翻弄される仲間の姿だった。
仲間――彼にとって、それは
ただ同じ世界に目覚めただけの他人なのだろうか。
今、彼はためらうことなく、戦いへ身を投じる。
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ジタン:「助かった〜! サンキューな!」
バッツ:「ん? もしかしてひとりか?」
スコール:「ああ――」
バ「じゃあ 旅は道連れだな
一緒にクリスタルを探そうぜ!」
ス(どうして―― そうなるんだ?)
ス「あんたたちには悪いが――
俺は ひとりの方が気楽でいい」
ジ「ひとりって―― 寂しくないか?」
バ「まあ 手分けして探すのも
アリかもな――
じゃあ おれたちはあっちに行く」
ジ「クリスタルを手に入れたら
また会おうぜ!」
バ「あぁ そうそう――」
ス「どうした?」
バ「せっかく会えたんだから
持っていけよ!」
ス「なんだ? この汚い羽根は――?」
バ「『汚い』って―― ハッキリ言うな
こいつは 幸運のお守りなんだ
おれと一緒に たくさんの危機を
乗り越えてきた相棒さ」
ス「――ここは戦場だ
人のことばかり気にしてる場合か?」
バ「スコールのことが心配なんだよ
おれは ジタンと一緒にいるから大丈夫
次会う時 返してくれればいいから!
約束な!」
ス(勝手な―― 約束だな)
(フィールド)
ス(この羽根……
あいつの大切な物なのか?
だとしたら……
なぜ 俺なんかに渡す……?)
ス(まったく……
次から次に うるさい連中だ)
ス(フン…… 調子は悪くないようだな)
(クリア後)
ス(幸運のお守りか――)
コスモス:「仲間からの贈り物ですか?」
ス「無理やり押しつけられただけだ」
コ「顔に出ていますよ スコール
仲間と行かなかったこと
後悔してるのですね」
ス「悔やんでなどいないさ
ただ―― 俺の身を案じて
くれる奴がいるとはな
同情なら面倒な荷物だ
だが 有用な後衛なら
助けにはなる
誘いを断ったのは――
悪かった かもな」
コ「いいえ あなたの判断は正しかった
クリスタルを手にするには それぞれが
心に潜む 本当の敵と戦わなくてはならない
ひとりで真の敵に
立ち向かうべきなのです」
ス「俺の真の敵―― 奴か」
コ「そう―― 時を操る
魔女アルティミシア
彼女を倒せば クリスタルは
手に入るでしょう
それは 孤独で辛い道のり――
あなたは孤高の決意を
貫くことができますか?」
ス「(フン) 答えるまでもない
なんなら このお守りにでも誓うか?」
コ「そう―― それでいいのです」
△上
「獅子は荒野を越えて」 DESTINY ODYSSEY:8-2
どんなにちっぽけであっても
小さな手がかりを……
その運命を受け入れるしかない
ガーランド:「……コスモスの命を奪えば 奴らも消える
わざわざ危険を冒す必要はあるまい」
アルティミシア:「皇帝の計画がうまくいく保証など
どこにあるというのです?
コスモスに『完全なる死』を与えることなど
本当に可能なのでしょうか?」
ガー「……つまり おまえはおまえで
別の計画がある ということか」
アル「あなたも同じでしょう?
知っていますよ…… あなたはカオスに通じている」
ガー「フン……」
アル「重要なのは 神竜が動き出すまで 生きのびること
そのために私は どんな手段でも講じます
……協力してくれますね?」
(フィールド)
ス(孤高の決意…… か
そんなに立派なもんじゃない
だが ひとりで行くと決めたからには
慎重に進まないとな
奴らの戦い方には 必ず法則がある
見極めながら 攻め込もう)
ス「……少し 騒がしくなってきたな」
△上
「獅子は荒野を越えて」 DESTINY ODYSSEY:8-3
頂点に立つ翼竜……
その力は戦士にとって
新たな勇気のありかたを形作るだろう
ケフカ:「……んー 確実に捕まえたいなら
まずはエサが必要でしょう」
クジャ:「……エサ?」
ケフ「あのサルは 仲間を助けるために
命だって犠牲にするような奴なんだろ?」
クジャ「だが 奴らは群れて行動している
エサを捕らえるにも それなりの策が……」
ケフ「いるじゃないか ひとりぼっちの寂しい奴がさ〜
アルティミシアのこと 気にくわないんでしょ?
だったら邪魔しちゃえ 一石二鳥ですよ?」
(フィールド)
ス「幸運のお守りなんて
バカバカしいと思っていたが……
こうして持ち続けていると
……悪くないものだな」
ス「なんだ このちっぽけな石は?」
バハムート:「……ワシは 万物を統べる王
必要とあらば たぎる力を与えよう」
バハ「勇者と呼べる人間は 久しくいなかった……
しかしそなたのことは 勇者と認めてよいかもしれぬ
さあ そなたたちに
我が力を授けよう!」
ス「やれやれ…… 無限の軍勢イミテーションとは
よくいったものだ」
クジャ「ひとり孤独を楽しんでいるかい?」
ス「何の用だ」
クジャ「ジタンを誘いだすための
エサを狩りにきたのさ
無謀にも ひとりで行動してる
キミみたいな輩をね」
ス「悪いが そういう話ならパスだ」
クジャ「なんだって?」
ス「ジタンも くだらない奴に
目をつけられたな」
クジャ「今のうちに吠えるといい
すぐ悲鳴に変えてあげるよ」
(クリア後)
ス「口ほどにもないな」
クジャ「――わかったんだよ
キミみたいなはぐれ者を使っても
ジタンは誘えないとね
それより ジタンを追いつめる
もっといい方法を思いついたんだ」
ス「黙れ!」
クジャ「もうキミに用はないよ
指をくわえて 第二幕を観劇するといい」
ス(心配すれば あいつらを救えるのか?
――いや そうじゃない)
ジ『クリスタルを手に入れたら また会おうぜ!』
バ『約束な』
ス「俺には やるべきことがある
今は―― 貫くんだ」
△上
「獅子は荒野を越えて」 DESTINY ODYSSEY:8-4
他者から見れば羽根のように軽いかもしれない
その重みを知っているからこそ彼は……
ス「俺は……
俺ひとりで 戦わなければならない
とにかく 一刻も早く クリスタルを手にする
それが俺の任務ならば 俺は……」
ス「さあ…… 次は誰だ?」
ス(……光の波動を感じる
誰かが近くに来ているのか?)
ス(まぶしいヤツ―― 登場か)
WoL:「君は ひとりなのか?」
ス(どうして そればかり聞かれる?)
ス「ひとりひとりが 真の敵に立ち向かわねば
クリスタルは手に入らない
コスモスがそう言っていた」
W「――コスモスが?」
ス「だから あんたもひとりで
行動しているんじゃないのか?
俺は 早くクリスタルを手に入れたい」
W「しかし 敵はひとりではない
結託して 我々を狙っている
背中をあずける相手を
探すべきではないか?」
ス(考えを押しつけるな
俺の道を邪魔しないでくれ)
ス「俺の目的はひとつだ
それ以外の道をゆく気はない」
ス(その覚悟がなければ 道は貫けない)
W「なぜひとりでの戦いに こだわる――
切り開けるのか?
君ひとりの力で」
(クリア後)
W「――君は強い
その力 仲間を守るために
使うつもりはないのか?」
ス「ともに戦うだけが方法じゃない
離れていても 支えあうことはできる
望むにしろ望まないにしろ
俺は支えられてしまった
だったら俺は 俺のやり方で
あいつらを支える
戦況を変えるために
道を切り開くだけだ」
W「君を誤解していたようだ
ひとりでの戦いにこだわるのは
仲間の力を疑っているからだと思っていた
君は 孤高の道を貫くといい
その道の行く末は ひとつにつながっている
忘れるな 我々は ひとりではない」
ス(ひとりではない か――)
△上
「獅子は荒野を越えて」 DESTINY ODYSSEY:8-5
孤高の決意……
真実を伝えることがなくとも
戦士はその行動で輝きを示す
コ「剣を構えなさい スコール」
アル「私と戦う力が身についたのだろう?」
ス「アルティミシア――!」
アル「待っていました――
おまえが その素晴らしい
決意を手に入れるのを」
ス「決意――?」
アル「そう 己の道を貫く孤高の決意!
仲間を見捨てる非常な心!
それが おまえをクリスタルへと導く」
ス「俺が誰を見捨てた!」
アル「おまえは心の底では
誰も信じていない
だからひとりで行動した――
そうでしょう?
今ごろ ジタンたちはクジャの
手により傷を負っているはず
おまえは仲間を救いに
戻ろうとしなかった
本心では どうでもいいと
思っていた証拠ではないか」
ス(――どうでもいいだと?)
アル「それでいい 戦場では当然のこと
さあ その気高き力
私に見せておくれ!」
アル「――怖気づいたのですか?
まぁ いいでしょう
私は逃げも隠れもしない
時が来るまで 待っていますよ」
ス「――おまえに理解できるほど単純じゃない」
(フィールド)
ス「決意なんか とっくにしていたさ
大切なもののため 俺はこの任務を……!」
ス「俺は…… 俺自身の力で
証明しなくてはならないんだ」
アル「来ましたね
仲間を見捨て ひとり
自らの願望を満たすために」
ス「俺は 約束を果たしに来た
あいつらのためにも
止まるわけにはいかない
ひとりではないと信じているからこそ
ひとりで戦う道を貫く!」
アル「(フン) おもしろい
では貫いてもらうとしよう」
ガー「我々二人を相手にな」
アル「どうする? まだ強がるか?」
ス「――むしろ都合がいい
ここでおまえたちを倒せば
その分 あいつらが楽になる
証明してみせる
離れていても ともに
戦っていることをな!」
ジ「(フッ!)
かっこつけすぎだろ スコール!」
ス「ジタン!
どうして?」
ジ「誰かを助けるのに理由がいるかい?
でっかいおっさんは オレにまかせな!」
ス(空気の読めないヤツ)
ス「だが―― それもいいさ
待たせたな さあ――」
アル「踊りましょうか」
ス「(フッ ハッ!)
ならば!」
アル「時よ!」
アル「愚かな子
すべてはまやかし
希望も仲間も――
おまえの命も
夢と散れ」
アル「楽に死ねたものを」
ス「時を操るおまえの力――
俺が断ち切る!」
(クリア後)
アル「いずれおまえも思い知る
決して取り戻せない
時の真理を――!」
ジ「スコール!」
ス「ジタン 借りができたな」
ジ「気にすんなって――
とか 言ってる場合じゃない!
大変 大変なんだよ」
ス(大変なのは おまえの
テンションじゃないのか――)
ジ「バッツが―― バッツが!
罠にかかってどっかに飛ばされちまった!
急いで助けにいかないと!」
ス「バッツが?
わかった いこう」
ジ「え―― いいのか?」
ス「返すものもあるしな」
ジ「それだけ?」
ス「――仲間 だからな」
ジ「(ふふっ) おう!」
ジ「これ――
この先にバッツが?」
ス「待っていろ」
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離れていても、たとえひとりでも仲間のために戦う。
孤高の決意が、クリスタルをもたらした。
その輝きは、窮地に陥った仲間への道筋を照らし出す。
強き光のもと彼らは急ぐ。
大切な戦友(とも)の命を救うために――
△上
Another Episode:
信念を貫くもの。想いを新たに進むもの。
クリスタルを手に入れた彼らに訪れる
わずかな休息の時間……
フリオニール:「のばら――
それが俺の たったひとつの答えだ」
ジ「(うーん)
お姫様のこと?」
フ「(はあ…)」
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