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chapter:2 3 4 5

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-旅と勇気と相棒と
「流浪の旅人は宝を求めていた
敵の手に落ちた彼が見つけたものは」

自由気ままな風のように、
世界を渡る冒険者――バッツ。

どちらが先にクリスタルを手にするか、
ジタンとの勝負を楽しんでいたが――

途中、敵の謀略にかかり、
ひとりカオスの軍勢が集う拠点へと飛ばされてしまった。

仲間の技を力とする、
彼の冒険が幕を開ける――

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バッツ:「(う…ううん)
ここは――?」

「(あっ!)」
クジャ:「それで キミの捕らえた獲物はどこにいる?」
ケフカ:「あれれ? おかしいですね〜?
たしか この辺に――」
クジャ「そもそも僕に必要なのはジタンだ
(はあ) これでジタンに警戒されたらどうする?
頼んでもいないのに 余計なことを――」
ケフ「だって おもしろそうだったし
独り占めなんてズル〜イ!」
クジャ「(フン) まあ せっかく捕らえたネズミだ
少しは役立てないと――」

(そっか おれ ジタンを狙った罠にかかったんだな
ジタンが捕まんなかったのはよかったけど
人をネズミ呼ばわりは ひどくないか!?
しかし あいつら 何話してるんだ?)

ケフ「(ん〜 ファーハッハッハ) おもしろい!
それなら いい相手を紹介しましょう」

「いろいろ探ってみるか
うまくいけば クリスタルが見つかるかもな
みんなの力 使わせてもらうぜ!」

(フィールド)

「さあて そうと決まれば
この罠から抜けださないと……
おっ……
あの烙印を潰せば 他のとこに行けそうだな!」

「よーし いい調子だ!
さあ 次だ次!」

(クリア後)

クジャ「聞いたよ…… 女子供を見逃したんだって?
破壊者らしくないじゃないか」
エクスデス:「無を無に還しても 何も生まれぬ
奴らには 私をあるべき姿にしてもらわねば」
クジャ「僕には理解できないな…… まあいい
退屈なら ひとつ芝居でも演じてみないかい?
たとえば……
探求の風が舞い込む物語 とかね」
エク「……話だけは 聞いてやろう」

△上

「旅と勇気と相棒と」 DESTINY ODYSSEY:5-2
探求の風……
探し求めるが故に
悪意も混じる

「あてのない旅は得意とはいえ――
どこ行こうか?」

(しめしめ 何か話してるぞ)

皇帝:「楽園の訪れも そう遠くはない
問題はその後だ
私に手を貸さないか? セフィロス
無能な破壊者どもには
貴様も辟易しているだろう?」
セフィロス:「(……) 興味がないな」
アルティミシア:「どうやら 自分の立場を
理解していないようね」
セフィ「だとしたら どうする?」

(なんだなんだ? 女の子めぐってのケンカか?)

「そこの虫けら―― 何をしている?」
「だ 誰が虫けらだ!
(だっ) お 覚えてろ!」

アル「あとを追うの?」
「いや―― それより
興味深い『光』が近づきつつある
ちょうどいい
例のクリスタルとひきかえに 破壊者どもに
虫けらの居場所を教えてやろう」
アル「破壊者―― エクスデスですね」
「(フッフッフッフ)」

(フィールド)

「……なんだ?
あいつら 追ってこないぞ
なら このスキに 別のところを探るか
今度は 慎重に行動しないとな!」

「ふう……
敵も多いし 気合い入れなおさないとな」

「よし いい風が吹いてきた!
そろそろ いいモノ見つかりそうな予感がするぞ」

△上

「旅と勇気と相棒と」 DESTINY ODYSSEY:5-3
遥かな海を統べる海龍……
その力は戦士にとって
新たな勇気のありかたを形作るだろう

「あれは――
やったぞ! クリスタルだ!」

エク「ファファファファ!
虫けらが ようやくたどりついたか」
「エクスデス!
悪いけど 相手している暇はないんだ
ジタンとの勝負が――
かかってるからな!」
エク「(ムッ) 話すら聞かぬというか!」
「(おおっとっと!)」

「急いでるんだ!
相手なら 後でするから!」

「いい土産ができたぞ」

クジャ「(フン) キミ いい役者になれるよ」
エク「くだらん浅知恵を――」
クジャ「そう言ったのは キミで二人目だ
むしろ感謝してほしいね
これで僕もキミも
本気の戦いを楽しめるんだから」

(フィールド)

「やったぞ! クリスタルだ!
まさか こんなに早く手に入るなんて……
よーし 行こう!
急いで ジタンに見せてやらないとな!」

「んッ? 石が……」
リヴァイアサン:「我が水の力…… すべてを浄化する力……
汝 場を制されたとき この力を授けん!」
「しゃ…… しゃべった!?」

「まっすぐ 海原をゆくといい
それは時として 敵から勇を奪う力となる……
望みがあるならば 恐れるな
流れは いつも勇敢なる者に微笑む」

「さあて……
そろそろ誰かに会える気がするぞ
けど カオスの連中がクリスタルを隠してたなんて……
どおりで探し回っても 見つからないはずだよ」

「おまえもカオスの一味か?
クリスタルを取り返しにきたな」
ゴルベーザ:「このままでは 願いは叶わぬ
クリスタルは
探せば見つかるなどという代物ではない」
「何言ってる?
おまえたちが隠し持ってたくせに!」
ゴル「見たものを信じる
無垢な心も 度が過ぎれば――
すべてを滅ぼす毒となる!」
「ちょ! いきなり!?」

(クリア後)

ゴル「外に輝きを求めるな」
「あんた いったい――?
(うわっ とと)」
ゴル「この光の気配ッ!?」
「今だっ!」

ゴル「終焉は近い
最後は 己で気づくしかないのだ――
自らの 秘められし力に」

△上

「旅と勇気と相棒と」 DESTINY ODYSSEY:5-4
たとえ目に見え触れていたとしても
本質を知らずして
風は真実を語れるのだろうか……

エク「今度は あれに助言か……
調和の神にでも なるつもりか?」
ゴル「皇帝の策に乗っているとは 考えられぬか
やっていることは 同じはずだが?」
エク「ああ……
クリスタルを手に入れるところまでは な」
ゴル「そこまで知ってなお 傍観しているのか?
おまえの望む 無とはいったい……」
エク「ファファファ……!
知ったところで 何も変わらぬぞ
かりそめの封印ではない 真の終焉……
私の願いは それだけなのだからな」

(フィールド)

「あの鎧のやつ 何が言いたかったんだ?
『外に輝きを求めるな』って どういう意味だよ……
……まあ とりあえず脱出するのが先か
光の気配か何だか よくわかんないけど感謝だな」

「クリスタル…… 早くジタンに見せてやりたいな!
く〜っ 驚く顔が目に浮かぶぜ!」

(クリア後)

ジタン:「バッツ! 探したぞ!」
「ジタン! スコールも来てくれたのか!」
スコール:「平気そうだな」
「いや〜 強そうな奴らがいっぱいでさ
っと それより 見ろよ!
あいつらから奪ってきたんだ
勝負はおれの勝ち!」
「(ふふっ) なんだよ さんざん心配かけといて――
ちゃっかりしてんなあ!」
「待て! これは――!」

「ジタン!?」

エク「(ファファファ)
そう簡単に クリスタルが手に入ると思ったか?
あれは わしが無から作り出した見せかけの輝きよ」
「なんだって?」
エク「クジャの仕組んだ茶番に
付き合ってやったのだ
今頃 ジタンとやらは
クジャの手で無となっているはず」
「おれを利用したのか――」
「そんなことで ジタンを倒せると思っているのか?」
エク「(フン) 無駄口を叩くな!
おまえたちも すぐ後を追う!
迎え撃て―― 偽りの兵士イミテーションよ!」

「行けるか?
バッツ!」
「あ―― ああ」
「一度 態勢を立て直すぞ」
「う うん」

エク「無駄なあがきを――」

△上

「旅と勇気と相棒と」 DESTINY ODYSSEY:5-5
探求の風……
彼の友への想いが
暁の決意へと回帰する

「ジタンなら きっと大丈夫だ
今は ここを切り抜けることを考えろ」
「あ…… うん……
気づけるチャンスは いっぱいあったのに……
ジタン…… 無事でいてくれ……」

「くッ もっと……
もっとおれが どうにかしていれば……」

「どうした?」
「全部 おれのせいだ
助けに来てくれたジタンを おれが罠に」
「今 これが必要なのは おまえの方だな」
「これ――」
「俺と危険を乗り越えてきた相棒――
幸運のお守り だ
ジタンは消えたおまえを 必死に探していた
おまえは何をするんだ?」

エク「(ファファファ)
どこへ行こうと無意味よ!」
「(くっ)」
「ここは おれがやる」
「バッツ――」
「ケリは 自分でつける
おれの力で 乗り切ってみせる!」
「終わったら 二人でジタンを迎えるぞ」
「ああ とびっきりの笑顔でな」

エク「もう逃げ場はない」
「逃げるのも 飽きてたとこさ!」

「(くーっ!)」
エク「遊びは通用せんぞ!」
「(ええいっ!)」
エク「(ファファ)」
「(ハッ!)
(ていっ! たあっ!)」

「(うわっ と)」
エク「(フン!)」
「(うっ)」

エク「戯れに 私を倒すことはできん
(フッフッフ)」
「(ふっ)
最初(はな)からおれは――」
エク「(ファファファ)」
「本気だよ!」

「さあ 見せ場だ!
(はああああっ!)
(ふん!)
いくぞ!」

エク「馬鹿め」
「(ふっ!)」

エク「次元の狭間を彷徨うがいい」
「それも楽しそうだな!」

(クリア後)

エク「次こそはおまえたちが――
久遠なる無の世界へ」

「やったな」
「楽勝さ! こいつのおかげだ
ありがとな スコール
(え?)
なんだ?
こんなとこにあったのか?
ずいぶん遠回りしたな」
「おまえらしいさ」

「(はあ〜)
(おっ) 見ろよ あれ!」
「おーい!」
「今度こそ ジタンに見せてやるんだ
おれはもう手に入れたぞってな!」
「こりない奴だ」
「さあ―― 突っ走るぞ!」

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仲間と自由を愛する心が、輝きにつながった。

それは追い求め、探し当てたものではなく、
最初からそばに寄り添っていたものだった。

風は、世界を駆け抜ける。
すべてを見渡そうとする、
探求の心のままに――

△上

Another Episode:
一つそしてまた一つ、クリスタルは
彼らの前に姿を現した。
それは、ひとりひとりが苦難を乗り越えた証。
だがそれは、仲間の存在なくして
得られたものではないと、彼らは知っている。

「これ――
みんなが手に入れたら
どうなるんだ?」
「コスモスは 希望が
生まれると言っていたが」
「(ふーん……)」

「(あっ)」

「(ん?) どうした?」
「いや――
幻か?」