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-見果てぬ夢
「絆に生きようとした仲間と別れ
彼もまた自分だけの明日を追い求める」
八種の武器を自在に操る戦士――フリオニール。
クラウド、セシル、ティーダとともに旅をしていたが
その道は、それぞれの目指す場所(ところ)へ向かって
時にわかれ、また交差しながら、進んでいた。
彼はティーダと二人、運命の運命の交差路を走り続ける。
自分だけの終着点を探し求めながら――
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ティーダ:「何してるんだ?」
フリオニール:「いや のばらが――」
フ(そうか あの時――
敵に 奪われてしまったままか)
テ「なあ『のばら』って何だ? なあ?」
フ「休憩は終わりだ そろそろ出発する」
テ「ちぇっ いいッスよ
オヤジとケリつけて
クリスタルも見つけたら また聞き出してやる」
フ「(フッ) 欲張りだな ティーダは」
テ「フリオニール! 人生の目標は?」
フ「目標?」
テ「あるだろ? 世界一の剣士になる とか
あいつだけはぶっ倒す とか
クラウドやセシルみたいに
自分の道を進んでいくための目標!
そういうのないと これからキツイッスよ」
フ「今は―― とにかく
戦いを終わらせることしか 考えてないな」
テ「(かー) 意外と真面目ッスね〜」
フ「意外は余計だ」
テ「こういう時は ガツンといくのが一番ッス!」
(フィールド)
フ「しかし 戦いを終わらせるといっても
こう敵が多いと気が遠くなるな……」
テ「敵の数なんて 関係なし!
ゴールさえすれば それでいいッスよ!」
フ「そうだな
進むべき道を見定めていこう」
テ「……って そんなの勝手に拾って大丈夫ッスか?」
フ「いいじゃないか! タダだし」
テ「やるなあ フリオニール
でさ…… のばらってなんだ?」
フ「……フッ
俺も少し思い返していたとこだよ」
△上
「見果てぬ夢」 DESTINY ODYSSEY:2-2
諦めることはない……
諦めない限り
道は幾らでもあるのだから
WoL:『そのバラは……』
フ『わからない…… 目が覚めたらここにあったんだ
コスモス これはいったい?』
コスモス:『私にもわかりません……
でも不思議な力を感じます
はっきりとは感じとれないけど
まるで 長い時を経てきたような……』
フ『……のばら
なぜだろう 懐かしい響きだ……』
ガーランド:「……想いが育ちつつあるな
あの花は貴様のしわざか?
小細工を仕込んだところで
奴らの時間は 決して戻らんぞ」
ゴルベーザ:「過ぎた時を振り返る必要はない
新たな時が刻めば それで……」
ガー「次こそは 救えるとでも?」
ゴル「さあ…… どうだろうな……」
(フィールド)
フ「敵が多いな……
ティーダ 手分けして戦おう」
テ「うぃッス! じゃ後で落ちあおうな!」
フ「……あの身軽さは 見習わないとな」
フ(ふう 危ないところだった……
二手に分かれたのは 失敗だったか?
ティーダは無事だろうか)
フ「(ふう) 片付いたな
(あっ) ティーダ! どこだ!」
ジェクト:「あのガキなら ピンピンしてるぜ」
フ「あんた―― ティーダの親父さんだな
ティーダをどうした?」
ジェ「どうもしねえよ
今のアイツと戦っても 意味がねえんだとよ」
フ「ティーダは あんたと決着を望んでいた
戦わずに 逃げ出したのか?」
ジェ「笑えねえ冗談だな
こっちはいろいろ邪魔されて ムシャクシャしてんだ
ちょっくら相手してもらうぜ!」
(クリア後)
ジェ「やるじゃねえか
さあ来い 続けようぜ!」
フ「――あんたとは戦わない」
ジェ「あン? なんだって?」
フ「手を合わせてわかった
あんたが本気で戦(や)りたい相手は俺じゃない
ティーダだ!
俺を代わりにするくらいなら
なぜあいつの覚悟を 受け止めてやらない!」
ジェ「ヒヨっこが 生意気な口ききやがる
しっかし 痛えとこをつくなあ」
フ「どこへ行く!」
ジェ「道がな 見えちまったんだよ
誰かさんのおせっかいのせいでな
(フッ) やっぱよ こうスッキリしねえ時は
ガツンといくのが一番だな!」
テ「フリオニール! 大丈夫か?」
フ「――なるほど さすがは親子だ
よく似ている」
△上
「見果てぬ夢」 DESTINY ODYSSEY:2-3
氷塊を抱きし女王……
その力は戦士にとって
新たな勇気のありかたを形作るだろう
テ「なあ…… オヤジと戦ったんだろ?
どうだった?」
フ「……変な話だが いい目をしていたな
一瞬 カオス側というのを忘れかけたほどだ」
テ「……そっか」
フ「大丈夫か? 気を引きしめないと怪我するぞ?
ここは特に敵が多そうだ」
テ「心配いらないッスよ
オレなら……ゼーンゼン平気ッス!」
シヴァ:「呼びかけに応じられぬが 危機は悟れます……
あなたたちに 力を貸しましょう」
フ「しかし…… このような得体の知れぬ力……
信じていいものか……」
シ「どうしたの? そばにきて……」
フ「ゴ…ゴクリ……」
シ「静寂の冷気は
その闘志をも凍てつかせる 刃となる……
そなたが必要とするならば
いつでも馳せ参じましょう」
フ「なあ ティーダ
人生の目標はなんだ?」
テ「……え?」
フ「あるんだろ 自分の道を
進んでいくための目標がさ
セシルは
おまえに背中を押されたから 前に進めたんだ
おまえも自分の背中を
押してやっていいんじゃないか?」
テ「フリオニール……」
テ「ひとりで行きたいなんて
わがまま言って悪い――」
フ「気にするな おまえの選んだ物語だろ」
テ「オヤジとケリつけてくる」
フ「ああ 行ってこい!」
フ「それぞれの道 か」
皇帝:「(ふふっ) 仲間に見捨てられ とうとうひとりになったか」
フ「皇帝ッ――!
皆 なすべきことを 果たしに行っただけだ」
皇「(ほう) では 貴様のなすべきことは何だ」
フ「決まっている この戦いを終わらせること!」
皇「(ふっふっふ)
この戦いを終わらせるだと――?
道具風情が吠えるな
この男が 戦いを終わらせてくれるそうだ」
アルティミシア:「(ふふふ) なら 教えてあげなくてはね
終局を望むことの 無意味さを」
(クリア後)
アル「無意味と言ったでしょう?」
フ「何っ!?」
アル「これは幾度となく 繰り返されてきた 神々の戦い
その程度の力で何ができる?」
フ「(くっ…)」
皇「哀れだな このままでは
クリスタルなど夢のまた夢
仲間たちの努力も 水泡に帰す」
フ「俺は―― 皆の努力を無駄にはしない
クリスタルを手に入れ この戦いを終わらせて――」
皇「それは本当に貴様の意志か?」
フ「なんだと――?」
皇「だから貴様は弱いのだ
他人に言われるがまま戦うなど
しょせんコスモスの道具だな」
フ「俺が コスモスの道具――?」
△上
「見果てぬ夢」 DESTINY ODYSSEY:2-4
追い求める者に甘い幻想を
また 過程行くものに棘在る試練を
それはまるで一輪の薔薇のように……
フ「コスモス――!」
コ「クラウドとセシル ティーダも
無事クリスタルを手に入れました」
フ「あいつら 成し遂げたんだな!」
コ「ええ それぞれが目指した道を
歩み続けたから――」
フ「目指した道 か」
コ「見失っている?」
フ「俺は―― 父を超えるとか 兄とともに戦うとか
具体的な目標は 何も持っていなかった
ただ がむしゃらに 戦いを終わらせようとしていた
皇帝の言うとおり 何も考えていない道具だと
言われても 仕方ない」
コ「いいえ あなたにも標(しるべ)はある
その胸にずっと 抱(いだ)き続けていた想いが」
フ「俺のは そんな立派なもんじゃない
漠然とした 幼い夢みたいなもんだ」
コ「聞かせて 心の中にある 願いと未来を」
フ「のばら――
のばらの咲く世界が 俺の夢なんだ
争いを終えたら 世界を花で満たしたい
失われたものを乗り越え 雨や嵐すらも力になるような
そんな世界を作りたいんだ――」
コ「すてきな夢
それはあなた自身が生んだ想い
あなたが戦うだけの道具なら そんな夢を持たない」
フ「コスモス――
そうだな これは俺自身の夢だ
俺が つかんでやらなきゃ」
コ「そんな夢を 私も見られたら――」
フ「見られるさ 必ず」
(フィールド)
フ(戦いの中で 時に
命を失ってしまう者がいる
それは 仲間を守るためかもしれない
力を 誰かに繋げようとしたためかもしれない
けれど 彼らが命を落とすことで……
希望を失い 哀しむ者が必ずいるんだ)
フ「のばらを見て ただ笑っていられる
そんな平和な世界を 俺は作ってみせる……!」
フ「さあ 行こう
コスモスの夢…… 俺自身の夢のためにも!」
(クリア後)
皇「目標もなく戦う道具が 何の用だ?」
フ「俺は道具じゃない
俺は 俺の夢のために戦っている!」
皇「(ふふっ) のばらか? 命をかけるには
あまりにくだらない夢だ
貴様には それをつかむ力すらない」
皇「どうした 夢は終わりか?」
クラウド:「終わらせはしない!」
フ「おまえたち!?」
ク「ひとりで 走りすぎだ」
テ「仲間の夢は オレたちの夢――
守るぞ 一緒に!」
皇「(ふん) 時が満ちたな
私のもとへ来い フリオニール!
貴様の決意 証明してみせよ!」
ク「すぐに セシルやティナたちも来ると思うが――」
テ「ひとりで行くッスね?」
フ「決着をつける」
フ「これは――」
ク「夢の続きを見せてみろ」
テ「みんなで 帰りを待ってるからな」
フ「行ってくる!」
△上
「見果てぬ夢」 DESTINY ODYSSEY:2-5
幻想で終わらせるか
未来への希望の輝きとするか……
戦士の決意にこそ輝きは宿る
セフィロス:「同じものにすがり 同じものを目指す……」
糸を引かれ操られる人形そのものだな」
ガー「……輪廻とはそういうものよ」
セフィ「そして 光もまたおまえを救いに来る
あれは 真実を知らぬからこそ貫ける意思か?」
ガー「…………
すべて戯言よ……
『大いなる意思』の前では な」
(フィールド)
フ「……俺を支えてくれた
仲間たちが待っているんだ
必ず 成し遂げる!」
フ「切り開くんだ
俺が 俺たちの歩むべき道を……!」
皇「来たか」
フ「人を道具扱いする おまえにだけは負けん!」
皇「(ふっふっふ) くだらん夢にすがるか
そのような幻想は 消し去ってやろう
単なる道具と成り果てるがよい」
フ「無駄だ 俺には ともに夢を見る仲間がいる
仲間がいる限り この夢は不滅
未来への希望も 消せはしない!」
皇「ならば―― すべてを奪い尽くすまでだ」
フ「何っ!
しまった!
(ぐあああああっ!)」
皇「(はっはっは)
幻想を捨て
私の支配を受け入れるべきだったな」
皇「(ん?) 何っ?」
フ「誰かを傷つけるだけの力に 意味などない
俺にはッ――
命をかける 夢がある!」
皇「虫けらに何ができる?」
フ「未来を信じ――
現在(いま)を貫く それだけだ」
(クリア後)
皇「戦いに終わりなどない
夢がついえた時こそ 私の支配が必要になるのだ!」
フ(戦いは 始まったばかりなのかもしれない
ならば 夢を見続けよう
のばら咲く世界――
あいつらとともに叶えてみせる)
フ「いつの日か きっと――!」
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ささやかな夢があった。
目標というのはあまりにも漠然としていたが、
戦いの中にあって、その夢が彼を支えた。
未来を信じた彼の心に、仲間とクリスタルが応える。
彼はこれからも、戦い続けることだろう。
今、歩んでいる道
それこそが、夢につながる未来そのものだと信じ――
△上
Another Episode:
目的を同じくする者が、同じ思惑とは限らない。
互いを欺き利用する。
いちはやく目標を達するために……
クジャ:「僕が策に溺れている?
(ふふっ) 何も知らずに さえずるんじゃないよ」
ガー「(くっ…)」
ジェ「楽しそうだな?
オレも混ぜろよ」
クジャ「(フン) 興がそがれたよ」
ガー「拳を交える相手は他にいるだろう」
ジェ「(ふん)」
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