chapter:2 3 4 5
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-導かれし光
「終わりを信じ 戦士は闇に立ち向かう
すべての物語はここから始まった」
世界は暗黒に包まれていた。
混沌の神カオスの力により、すべては闇に沈むと思われていたが――
光は消えていなかった。
混沌の中にありながら、輝きを失わないクリスタル。
生き延びた十人の戦士が手にすれば、
世界に新たな希望が生まれるという。
「光の戦士」と呼ばれる彼の旅が、今始まる――
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カオス:「我は 混沌の神……
この世界の覇者となるべき存在…… そうだな?」
ガーランド:「ええ コスモスを倒し 世界に混沌をもたらす……
それが 我々に課せられた責務です」
カオ「失われた力が癒えれば
戦いなど すぐに終わる
勝利に必要な駒がそろうのは
時間の問題だ しかし……
何かが…… 気にかかるのだ
ガーランド おまえの言葉……
信じるに値するのだろうな?」
ガー「……もちろんです カオス」
(フィールド)
WoL:「悪しき者の気配がする……
私の行く手を 阻もうというのか?」
W「さあ 先を急ごう
こうしている間にも コスモスは……」
コスモス:『手に入れてください
世界が砕けても輝きを失わない光 クリスタルを――』
W「コスモス――
あなたの願い 必ずや我らが
クリスタルを手にし 世界に希望を――」
ガー「どこへ行くつもりだ?」
W「ガーランド!
ガー「戦いから逃れるつもりか?」
W「私は 何からも逃げるつもりはない」
ガー「ならば始めよう
宿命の時――
今こそ楽しもうではないか!」
(クリア後)
ガー「(くううっ)
貴様 本気でこの世界を救うつもりか」
W「それが 我らの使命
希望はまだ ついえていない」
ガー「(フッフッフ) 愚かだな
貴様の望むもの それは幻よ
追いかければ逃げ 追いついても
決して手に入ることはない――」
W「なに?」
ガー「いずれ思い知る この戦いの真実を
世界は 貴様を裏切るのだ!
(ふはははは)」
W「たとえ 世界がどうあろうと――
光は 我らとともにある」
△上
「導かれし光」 DESTINY ODYSSEY:1-2
信念を強く持つ者ほど
他者にその理由を問われる……
戦士はそれに答えなければならない
W「……君たちは?
どうした 何かあったのか?」
ティーダ:「大変! 大変なんッス!
フリオが…… フリオニールが!」
セシル:「大切なものを奪われたと
敵陣へ 飛び込んでいってしまったんだ」
W「……この先か?」
セ「ああ 僕らも一緒に行く!」
W「いや ここは私に任せてほしい
君たちには なすべきことがある」
セ「でも……」
W「セシル 聞いてくれ
君の兄は この世界の何かを知っている
彼を信じるべきか否か 見極めてくれ
それが 今の君が果たすべき役割だ」
テ「セシル さっきの奴のせいで 少し怪我したろ?
ここはお言葉に甘えるッス!」
セ「……わかった フリオニールを頼みます
あなたも…… どうか無事で!」
(フィールド)
W「ひとり敵陣に飛び込むとは……
よほど大切なものを奪われたのだな」
W「変わった敵だったな……
奴らにも 種類があるということか
まあいい 今は先を急がねば……
フリオニールはこの先か?」
W「フリオニール!
よくやった あとは私に」
フリオニール:「しかし!」
W「君は 仲間のことを頼む
クリスタルへの道が閉ざされぬよう――」
セフィロス:「新手か?
私と戦っても クリスタルは手に入らんぞ」
W「だろうな」
セフィ「ならば なぜ私の前に立つ」
W「おまえは 仲間を傷つけた」
セフィ「(フン) 許せない―― というわけか
一時の感情で勝負を挑むなど――」
W「始めよう 早く済ませたい」
セフィ「(フン) 少しは楽しめそうだ」
(クリア後)
セフィ「大したものだが――
私を倒せるのは やはり奴だけか」
W「おまえはいったい――」
セフィ「ひとつたずねよう
おまえはなぜ剣を取り 戦う?」
W「クリスタルを手に入れ
戦いを終わらせるため」
セフィ「戦いを止めるために戦う―― か
気の長い話だ
どれほど戦いを重ねれば
望んだ場所にたどりつく?」
W「遠くとも 重ねることで近づける」
セフィ「いや 違うな
おまえは終わりなど望んでいない
戦いを楽しんでいるだけだ この私のように」
W(のばら?
あれは フリオニールが持っていた――)
セフィ「おまえは 私と同じ
この閉じられた世界に ふさわしい存在だな」
W「閉じられた世界?」
セフィ「機は熟した
奴との約束を果たす時が来たようだ」
W「逃げられたか」
W(敵はこの世界の何を知っている?
いや 悩んでいても仕方がない)
W「今はクリスタルを探し 進むだけだ」
△上
「導かれし光」 DESTINY ODYSSEY:1-3
希望を手にするために
戦士は闇の中を進む
その果てに何があるのか……
W「敵がどんな真実を知っていようと……
それより確かな想いが 今の私にはある」
W「……この輝きは?」
イフリート:「時の旅人よ…… 我が力 必要になりし時
勇敢なる炎を その身に授けよう」
イ「我が灼熱の炎を身にまとい
闘気をさらに たぎらせるがよい……
おまえの望むとき……
力を知らしめてやろう」
W「それで気配を消しているつもりか?
姿を見せてはどうだ」
アルティミシア:「(ふっ) さすがね」
W「アルティミシア――」
アル「どこへ向かっている―― もしや
まだクリスタルを求めているのですか?」
W「クリスタルは我らの願い
見つけるまで 立ち止まるつもりはない」
アル「あきらめの悪い――
クリスタルなど 死にかけの
コスモスが描いた絵空事
そんなものに命をかけるなんて
バカバカしいにもほどがある」
W「話は終わりか」
アル「なに?」
W「用が済んだなら 立ち去るがいい
世界に残された時間は少ない
おまえに関わり 無駄な時を過ごす気はない」
アル「若造が 生意気な口を――
いいでしょう
一度 現実というものを思い知らせてやろう!」
(クリア後)
アル「勝てば―― すべて終わるとでも?
(フン) 何をしようとも無意味
おまえひとりが力を尽くしても 世界を救えはしない」
W「惑わそうとしても無駄だ
私には クリスタルを求める同志がいる」
アル「(ふっはは) 何も知らないのですね」
W「何?」
アル「その同志は苦しんでいるというのに――
戦う意味を見失う者もいれば
仲間を信じずに孤立している者さえいるのですよ?
戦いの果てに得るもの――
それは 闇より深い絶望だけ
希望や未来など 見つけられはしない!
(フフフ ハハハ)」
W(確かに いまだクリスタルへの道は見えない
そして 未来への道も――)
W「だが未来は まだ終わっていない」
W「むっ あれは……」
W「……スコール
君はひとりなのか?」
スコール:「ひとりひとりが 真の敵に立ち向かわねば
クリスタルは手に入らない
コスモスが そう言っていた」
W「……コスモスが?」
ゴルベーザ:「つまり…… そなたは知っているのか?」
コ「ええ その行為が持つ意味も……
けれど クリスタルの光ある限り 彼らは消えません」
ゴル「しかし あまりに危険な賭けだ
いや それも…… 神ゆえの行動か」
コ「…………」
ゴル「混沌と調和 どちらかの神が敗れしとき
一尾の竜が降臨し すべてを巻き戻す
神は復活し 失われた兵は舞い戻り
そうして…… 戦いは繰り返されてきた
だが その輪廻も……
かりそめの結果であったからこその話
もし そなたの最後の希望が潰えれば……
一切の光なき 真の終焉が訪れる」
コ「真の終焉……
救いのない 永遠の混沌 ということですか?」
ゴル「ああ……
世界は久遠なる絶望に沈むのだ」
△上
「導かれし光」 DESTINY ODYSSEY:1-4
真実に強く想いを馳せる者……
その瞳に迷いはない
W(この底知れぬ気配は?
カオスか? それとも別の――)
コ「待って」
W「コスモス――」
コ「この先は あまりにも危険です
強大な悪意が いくつもうずまいている」
W「敵が集まっているなら都合がいい
クリスタルの手がかりが手に入るかもしれない」
コ「勇猛であることと 無謀であることは違います」
W「慎重であることと 臆病であることも また違う
たとえ窮地にあっても 必ず道は開ける
そう教えてくれたのは あなただ
すべてが失われつつある世界で あなたは道を示してくれた
あきらめない限り必ず方法はある――
残された我々にも 望みはあると
私は誓ったのだ
クリスタルを手に入れ 世界を救うと
その想いが私を支えている」
コ「あなたの覚悟は わかりました
ならば 私も誓いましょう
最後まで あなたたちを信じ抜くと――」
W「コスモス――
あなたと そして我々の誓い
それが私を導く光だ」
(フィールド)
W「世界が希望を奪うのではない……
希望を恐れる己の心と 私は戦い抜いてみせる!」
W「……今 誰かの声がしたか?
この先に 気配は感じるが……」
皇帝:「派手にやってくれたものだ――
どうしてくれる?
貴様が暴れたせいで
バッツとやらを逃がしてしまった」
W(バッツ―― なぜ彼がここに?
しかし――)
W「この混乱に乗じて脱出とは
彼らしいな」
皇「まったく 悪運が強い
だが 本当は理解しているのだろう?
この戦いが いかに勝ち目の
ないものなのかを
その光の力 失うにはあまりにも惜しい
私のために動くつもりはないか?
もちろん褒美はとらせる――
奇跡の結晶―― クリスタル
これをくれてやろう」
W「――なるほど そういうことか」
皇「ほう―― 自ら希望を打ち砕くとは
クリスタルは 諸君の
望みではなかったのか?」
W「私は この手で戦いを
終わらせると誓った
クリスタルは そのために
己自身で見つけるべき力
敵に恵んでもらうようなものでは
決してない
あれは ただの紛い物だ」
皇「(フン) その決意は 本物ということか」
(クリア後)
皇「戦いを終わらせる
その志は見事だ
だがすべてを知ってもなお
そう言えるのだろうな――?」
W「いったいどこへ――」
ガー「(フフフ) わしの出番のようだな」
W「おまえは――
ガーランド――!」
ガー「何を驚いておる?
貴様がいる限り わしは何度でも
よみがえるのだ
それこそが世界の望んだ
我らの宿命――」
W「どういう意味だ?」
ガー「戦いの真実を知りたくば――
来るがいい」
W「待て!
(……) 戦いの真実だと?」
△上
「導かれし光」 DESTINY ODYSSEY:1-5
心をつなぐ誓いと想い
彼の決意の輝きに クリスタルもまた……
ガー「フン……
すべてを知る覚悟は できているようだな
だが クリスタルを手にしていないのは
もはや 貴様ひとりだけ……
確かなものを 何ひとつ持たぬ貴様が
このわしを倒せると思うな!」
W「私には 信じるべき光がある……
何度おまえと戦おうと
この心だけは 揺らぐことはない!」
ガー「時はめぐっている
決められた宿命の名のもとに……
時を超えた 我が力……
その身に刻み込んでやろう
おまえたちは ここで死に
わしは 永久に生き続けるのだ!」
W「ゆくぞ…… ガーランド!
戦いの宿命に 決着をつけよう!」
ガー「来たか」
W「真実を手にし
戦いを終わらせるために」
ガー「(ハハハ) 何をしようとすべて無意味
これは永遠の闘争――
終わりなき戦いの
輪廻なのだからな」
W「終わりがないだと?」
ガー「そうだ
神々の闘争が永劫久遠であるように
我らの戦いも無限に繰り返される!
それがこの世界の真実!
変えようのない宿命よ!
くだらぬ希望など捨てるがいい!
輪廻を受け入れ せめて
戦いを楽しもうではないか!」
W「哀れだな ガーランド」
ガー「――なんだと?」
W「おまえは戦う宿命に縛られ
絶望に染まった
それが哀れだというのだ
たしかに我らは戦いを
繰り返してきた
戦いの輪廻とやらに
囚われていたようだ
だが真実を知った今なら
乗り越えられる
輪廻の終わりを目指し
戦うだけだ!」
ガー「ここでわしを倒そうと それも
輪廻の一幕にすぎぬ!」
W「世界の運命がどうあろうと――
私はあきらめん!
この戦いに真の決着をつけ
おまえさえ救ってみせよう!」
ガー「わしを救うだと?
戯言をぬかしおって!」
W「光よ!」
ガー「戦いの輪廻だ!」
W「(ハッ!)」
ガー「(トウッ!)
相容れぬ者がわかりあうことはない
永遠に争う宿命なのだ!」
W「宿命は―― ここで終わる」
ガー「ならば 終わらせてみせい!!」
(クリア後)
ガー「(ぐあああっ)」
W「この光は――
クリスタル」
ガー「手に入れてしまったな
クリスタルは 時の鎖を
断ち切る力だ」
W「そうだ この戦いを終わらせる力」
ガー「そして神々の存在すら
終わらせるであろう」
W「なんだと?」
ガー「すべてのクリスタルが集った時
神々に何が起こるのか
戦いの輪廻を断ち切ることが
世界に何をもたらすか
神すらも見通せぬ
混沌に満ちた未来の幕開けだ――
まためぐり会おうぞ
遠くない未来で――!
(フハハハハ)」
W(輪廻は 終わっていない
真の決着をつけぬ限り――
ガーランドは再び現れるだろう
だが――)
ジタン:「ようやく手に入れたみたいだな」
W「皆―― 無事か」
オニオンナイト:「当然 僕たちなら楽勝さ」
フ「これで 全員クリスタルを手に入れたな
それじゃあ 行こうぜ!」
W「ああ 急ごう コスモスのもとへ」
W(何度 世界が暗黒につつまれようとも――
光は 我らとともにある)
皇「これはこれは 破壊の神よ
力は 取り戻せましたか?」
カオ「ああ…… 皇帝よ
すべては おまえの計画どおりか」
皇「さすが よくご存じで
だが…… 真の計画は
まだ始まってすらいない」
カオ「……なんだと?」
皇「あなたは あなたの責務を果たせばいい
私は紡ごう…… 終わりなき物語の 終わりをな」
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この世界に残された、最後の希望。
ひとりひとり、運命を乗り越え、
それぞれの胸に希望を宿して、再び結集した十人の手には、
クリスタルが輝いている。
コスモスの願いが実現された今、
戦いは新たな局面を迎えようとしていた――
△上
Another Episode:
カオスによって砕かれた世界を支える、コスモス。
彼女の眼裏に映るものは
調和を取り戻した世界なのか、それとも……
コ「歴戦の戦士たちよ
私は――」
ガブラス:『傍観者に未来はない
何者も守れはしない』
シャントット:『(おっほほほ)
ええ 未来は力ずくで
奪い取るものですわ!』
コ「すべては覚めない夢
それでも――
幻想は 必ず終わる」
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